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【リフォーム】母と私のジュエリーが、爽やかに交わる日。

【リフォーム】母と私のジュエリーが、爽やかに交わる日。

前回のブログで、オパールのリングのリフォームをご紹介しました。
▶ 【リフォーム】オパールが、私を見てと言っていた。

そのブログの冒頭で触れた、テーブルいっぱいに広がったジュエリーたち。
今回はいよいよ、そのメインイベントです。

「これで、ブローチを作りたいんです」

リフォーム前に持ち込まれたジュエリーたち。太陽型ブローチ、ペリドットのリング、グリーン石、乳白色石、パールのピアスなど、いくつもの時間が重なり合うアイテムたち

パールのピアスやペンダント、ペリドットのリング、太陽のかたちのブローチ、深いグリーンのキャッツアイや乳白色の石のペンダントなど。
お母様が大切にされていたものと、ご自身が以前購入されたもの。それらがひとつのテーブルの上に広がる光景は、いつ見ても胸が動きます。

デザインを考えるにあたって、お客様が何度もおっしゃっていた言葉があります。

「爽やかに」

打ち合わせのたびに、自然とその言葉が出てきました。

パールはどこか温かみがあって、丸くて優しい。「爽やか」とは少し違う印象を持つ素材です。でも、このお客様の手元にあるジュエリーを見渡したとき、黄緑色のペリドットがたくさんある。このペリドットこそが、「爽やか」という言葉と橋渡しをしてくれると感じました。

デザインの骨格として選んだのは、3本のシャープなシルバーのライン。

シルバーの3本ラインが交差するモダンなリフォームブローチ。パール、ペリドット、グリーン石、乳白色石、ピンクトルマリン&ダイヤモンドパーツを配置

ご希望の素材はシルバー。「爽やかに」というテーマと、直線のモダンなシルエットがとても合うと感じてご提案しました。

その3本のライン上に、パール、ペリドット、そして今回のポイントとなる石たちを配置していきます。

深みのあるグリーンのキャッツアイ、乳白色の石。そして、もう一つ。
お預かりしていた太陽のようなデザインのブローチの中心にあしらわれていた、ピンクトルマリンとダイヤモンドのパーツです。これをきれいに取り外し、K18ピンクゴールドの枠付きのままブローチに加えることにしました。

ダイヤモンドのパヴェが美しく仕上がっているパーツで、このまま活かすのがいちばんだと思ったからです。そしてこのピンクの温かさが、やわらかいピンク色のパールとリンクして、爽やかさの中にそっと温もりを添えてくれる。全体のバランスとして、とても大事な役割を果たしています。

ただ、制作を進める中で、お客様にご提案しなければならないことが一つありました。

シルバーは素材の特性上、平らな面を美しく磨き上げることが難しい素材です。今回は3本のラインにいくつものパールや宝石が配置されるため、磨きの工程はさらに複雑になる。このまま鏡面仕上げで進めると、完成度の面でどうしても限界が出てしまう。

丁寧にお伝えすると、お客様はすぐに理解してくださいました。

そこで選んだのは、マット仕上げ——艶を落とした、落ち着いた質感です。

結果として、この選択がとても正解でした。

マット仕上げのシルバーフレームに宝石とパールが浮かぶリフォームブローチ。異なる素材感が共存するモダンな表情-1
マット仕上げのシルバーフレームに宝石とパールが浮かぶリフォームブローチ。異なる素材感が共存するモダンな表情-2


パールの丸みある光沢、ペリドットや宝石たちの透明感、そしてマットなシルバーのライン。3つの異なる表情が3本の直線の上に共存することで、単調にならず、でもうるさくもない。爽やかで、モダンで、華やかな作品になりました。

もう一つ、打ち合わせの中で自然と決まっていったことがあります。

大振りのパールのピアスをどうするか、という相談です。ボリュームがあって存在感のあるピアスで、ブローチに取り込むにはバランスがとりづらい。そこで、代わりにブローチとセットになるピアスを新たに作ることになりました。

ブローチの核となるシルバーのラインと同じ直線をモチーフに、ペリドットを散りばめたラインのパーツ、ダイヤモンド、そして大粒のパールと小粒のパールを添えて。

ブローチが面ではなく立体を楽しむ作品であるように、ピアスも同じく立体的な表情を持たせました。お客様の耳の傾きや穴の位置を実際に確認させていただきながら、耳に付けたときに最も美しく見える角度で組み上げました。

ペリドットとダイヤモンドを配したシルバーラインパーツに、白パールと大粒パールを組み合わせたリフォームピアス

ご納品の日、ブローチを胸に付けていただいたとき、

「爽やかで、モダンで。ジャケットに本当によく合いそう」

とおっしゃっていただきました。

ピアスは「個性的で、つけるのが楽しくなります」と。
その言葉を聞いて、何より嬉しかった。ジュエリーは、つけたいと思えることが一番大切だと思っているので。

ネイビーのツイードジャケットに合わせたリフォームブローチと、耳元のリフォームピアス。440showroomにて、お客様着用イメージ

今回お預かりしたのは、お母様が歩んできた時間の欠片と、お客様ご自身が選んできた欠片でした。色も形も素材も、ばらばらに見えるものたちを、一つの作品にまとめあげること。それは本当に簡単なことではありません。詰め込みすぎてもいけない。ゴージャスになりすぎてもいけない。古臭く見えてもいけない。

でも、だからこそ面白い。このまとめ上げる作業は、私がとても好きな仕事です。時間はかかる。でも、着地したときの景色が好きで、いつもそこを目指しています。

前回のオパールリングと、今回のブローチとピアスセット。お父様のジュエリーから生まれた作品たちと合わせると、お客様の手元には今、大切な人たちの時間が形になって揃っています。

「活躍していなかった石たちが、こんなに素敵になるなんて。大森さんにお任せしてよかった」

その言葉が、私の原動力です。

家に眠っているジュエリーがたくさんある、でも一つひとつを直してもどう使うかわからない——そんな方に知っていただきたいのですが、複数のジュエリーを一つの作品にまとめることは、とても有効な選択肢です。余すことなく使えて、そして新しい一点物になる。今回のブローチとピアスセットが、その可能性を少し感じていただけるきっかけになれたら嬉しいです。

リフォームブローチとピアスセット。シルバーの直線モチーフでリンクした、世界に一点だけの作品

パール&ペリドット ブローチ+ピアス リフォーム
アイテム:ブローチ、ピアス(セット)
素材:シルバー925、K18ピンクゴールド(ピンクトルマリンパーツ・お持ち込みのまま活用)
宝石:パール、ペリドット、グリーンのキャッツアイ石、乳白色石、ピンクトルマリン、ダイヤモンド(すべてお持ち込み)
費用:セットで561,000円(税込)
デザイン:大森香菜江

※本記事でご紹介しているジュエリーは、制作時期と投稿時期に差があるため、地金価格や宝石の相場変動により費用が異なる場合がございます。また、デザイン内容もお客様ごとに異なるオーダーとなります。


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