こんにちは。
デザイナー大森です。
2026年1月、イタリア・ヴィチェンツァで開催された世界有数のジュエリーショー「Vicenzaoro」。
出展を終え、今、ようやく少し落ち着いたところです。
時差と荷物と、頭の中に残った熱量だけがまだ追いついていない感じ…(笑)
今日は、出展の振り返りと、あの数日間で私の中に残ったことをまとめてみようと思います。
出展という“現場”でしか得られないもの
オンラインで作品を見てもらえる時代になっても、展示会の空気はやっぱり別物です。
距離感、照明、人の息遣い、立ち止まる時間。
ジュエリーが「画面の中の美しさ」から「身体の上で生きるもの」へ戻っていく。
Vicenzaoroは、イタリアを中心に世界のハイジュエリーブランドが立ち並び、世界中のジュエリー業界のプロが仕入れ・商談・リサーチに集まる場所(ジュエリーショー)。
会場が本当に大きくて、私も何度も迷子になるくらいでした(笑)
あのスケールの中で目を止めてもらうのは、簡単ではありません。
だからこそ、ほんの一瞬でも足を止めてもらえた時の重みが違う気がします。

実際に“次に繋がった”ことが、何よりの実感
今回ありがたかったのは、会場での反応がその場限りではなく、ちゃんと次に繋がっていったことです。
イタリアをはじめ、ドイツ、ブルガリアでジュエリーのご商売をされている方々との出会いがありました。
そして後日、各国への発送・納品も無事に終えました。
今回のジュエリーショーは、たとえすぐにお取引に繋がらなくても「世界に向けて披露できたらそれだけで」と思っていた部分もありました。
でも今回は、お届けまで辿り着いたことで、ようやく体の中に落ちてきた感じがします。
デザイナーとしても、そしてお店を続けていく立場としても、その実感は大きかったです。
(こういう機会を、日本から体験できる人は決して多くないと思うので…今回この場に立てたこと自体にも、素直に感謝しています。)

人気だったのは、Murmurと南洋パールの存在感
今回特に反応が大きかったのは、南洋パールをあしらった Murmur の大ぶりのブローチやネックレスでした。
遠目で一度目が止まり、近づくほどに理由が増えていく。
説明を重ねなくても、作品の方から伝わっていく感覚がありました。
好評だったジュエリーは半蔵門・440showroomでご覧いただける機会を設けますので、お楽しみに。
ロングセラーと一点ものが、国を越えて届いた
そしてもうひとつ嬉しかったのが、440のロングセラーである Lollipop や、カラーストーンなどの一点ものにも反応があったこと。
国が違えば好みも違うはずなのに、色のバランスや石の表情、仕立ての丁寧さみたいな“根っこ”の部分は、国を越えて届いていく。
それを現場で見られたことは、静かに背中を押されるような時間でした。

今回の出展を振り返って
今回の出展で改めて思ったのは、これです。
「世界観」は言葉で作るんじゃなく、ディテールで滲ませるもの。
どんなにコンセプトが良くても、デザインや仕上げが甘いと世界観は濁る。
逆に、細部が整っていると、言葉がなくても伝わる。
一番大切にしてきたことですが、今回それを改めて実感できたので、これからはさらに“細部へのこだわり”を強化していきたいと思います。
派手なことじゃなくて、でも一番効くところ。
展示会やショーは、そういう「地味だけど本質」を容赦なく突きつけてくれます。
最後に|支えてくださった皆さまへ、そして次へ
遠くから応援してくださった皆さま、本当にありがとうございました。
ヴィチェンツァで見た熱や価値観を、東京に持ち帰って、また“440のかたち”にしていきます。
今回感じたことが、次の新作や、オーダー・リフォームのご提案にも、生きてくると思います。
「こんな雰囲気で作れますか?」
「この石、今の自分に似合う形にできますか?」
そんなご相談も、いつでもお気軽にメッセージくださいね。
追伸
帰りの機内で、静かに答え合わせをしていました。
「ジュエリーって、装うものなんだけど、実は“価値観の塊”なんだな」と。
どこで作っても、どこで見ても、最後に問われるのは“何を美しいと信じているか”。
その答えを、私はこれからも、作品で表していきたいと思います。