「こんなに美しいオパールだったんですね」
その言葉が、ふわっとショールームに広がりました。
以前にもリフォームをお任せくださったお客様から、またご連絡をいただいたのは、とてもうれしいことでした。今回のご依頼は、二つ。カンテラオパールのペンダントトップと、透かし模様の立体ゴールドパーツ、一対。
カンテラオパールをご存知でしょうか。

メキシコの岩盤から、岩ごと切り出されたオパールです。石の内側に、橙や青、緑の光が揺れている。透明感の高い部分に光が入ると、まるで火が灯るような遊色が現れます。見る角度、光の具合、その日の気分——そのすべてで、表情が変わる石です。
「石は素敵なのはわかるんですけど、今のデザインだとなかなか使えなくて」と。手放したくはないけれど、このままでは眠らせてしまう。この石を、活かしていきたい。そんなご相談でした。
ご提案したのは、石の輪郭に沿ってメレダイヤモンドを丁寧に添えていくWater Lipデザインです。
ゴージャスになりすぎず、でもしっかりと輝く。カンテラオパールという個性のある石を、ダイヤモンドの縁が静かに引き立てるイメージです。チェーンの位置は縦ではなく、横向きに。着用したときのシルエットが、すっきりとスタイリッシュになります。

もうひとつ、大切にしたことがあります。
カンテラオパールには、透明感の高い部分と、岩盤に近い不透明な部分とがあります。着用したとき——ご自身が見下ろしても、向かいの方が見ても——いちばん美しく映える角度に、遊色の輝く部分が来るように。石を何度も手に取りながら、向きを丁寧に見極めました。
チェーンは、個性的なオパールに負けないよう、少ししっかりとした太さのカットチェーンを。光を受けてきらりと光り、オパールとダイヤモンドに並んで存在感を放ちます。


もうひとつのご依頼は、透かし模様の立体ゴールドパーツをピアスに。「デザインはこのままで」というご希望でした。

素材の刻印がなく、成分を確認できない状態でした。お客様からうかがった情報をもとに職人と相談を重ねながら、ピアスポストを立てられるかを慎重に見極めて。表面を丁寧に磨き、仕立てていきました。
このピアスで特に大切だったのは、耳に当てたときの「角度」でした。
立体のパーツには、お客様が「ここを正面にしたい」と感じていらっしゃる部分がありました。実際にパーツを手に取りながら、鏡の前でお客様の指先と一緒に確認して。「ここですか」「そう、そこです」——そんなやり取りをしながら、ポストの位置を決めていきました。


完成したネックレスとピアスをご覧いただいたとき、「こんなに美しいオパールだったんですね」と、目を丸くされていました。
ピアスは、「思った通りのところが正面で。それを表現してくださってありがとうございます」と。
素材も石も、もともとそこにあったもの。かたちが変わることで、見えていなかった美しさが現れる瞬間があります。その瞬間に一緒に立ち会えることが、うれしいのです。
眠っているジュエリーが、あなたの手元にあるなら。ぜひ一度、お持ちください。きっと、そこには続きがあります。
カンテラオパール ネックレス × スタッドピアス リフォーム
アイテム:ネックレス、スタッドピアス
素材:K18イエローゴールド
宝石:カンテラオパール8.94ct(お持ち込み)、ダイヤモンド0.15ct
デザイン:大森香菜江
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