皆様、こんにちは。今日は、ルースから仕立てるオーダーメイドリング制作の裏話をお届けしたいと思います。
ある日、お客様が13ctの美しいミントグリーンカラーのトルマリンのルースを持参され、リングのデザインを 440 に一任してくださいました。
宝石の魅力はその深い色合いにありますが、それは同時に宝石のデプス（厚み）の深さを伴うことが多いのが特性でもあります。こちらのトルマリンも例外ではなく、その豊かな緑色が美しく、しかしたっぷりとしたデプスがありました。
お客様はその色は気に入っていらっしゃるものの、デプスのためにジュエリーとしてのイメージが湧かないとお悩みでした。ここでの私達の課題は、お客様のこの懸念材料を気にならないデザインにすることでした。
オーダー前のトルマリンとブラウンダイヤモンドのルース（上のお写真）
私達は、このトルマリンの他に、小ぶりな2石のブラウンダイヤモンドをお預かりし、これら全てを用いたデザインを考案。トルマリンの豊かな色と品質を考慮し、お手元でその魅力を存分に感じていただけるリングをご提案しました。
デザイン面では、トルマリンを中心に、その両サイドにブラウンダイヤモンドを添えることで、トルマリンの存在感を引き立てながら全体のバランスを調整。
オーダー後のリング（上のお写真）
特に、お客様が懸念されていた宝石のデプスに関しては、それを魅力の一部として、トルマリンの横顔がよく見えるように配置し、その素材の美しさを最大限に引き出すデザインにしました。
オーダー後のリングのトルマリンが見える横顔（上のお写真）
大ぶりな宝石はゴージャス感を増すことがありますが、トルマリンの周りをゴールドで囲み、全体をヘアライン仕上げにすることでカジュアルな印象に。さらに、宝石の輝きとマットな質感の対比を活かして、トルマリンの輝きを一層引き立たせました。 このアイデアの転換、課題を強みに変える発想は、お客様にも大変喜んでいただけました。この度は、特別なジュエリー制作の機会をいただき、心より感謝申し上げます。
それでは、次回のブログもお楽しみに。
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リングのオーダーメイド
リング
メタル：K18YG
宝石：トルマリン13.42ct、ダイヤモンド0.09ct
制作期間：約1ヶ月半
デザイン：大森香菜江
費用：税込264,000円