こんにちは、
デザイナーの大森です。
今日は、パールのファッションリングのリフォームストーリーをお届けします。
お客さまがお持ちくださったのは、昔流行した「立て爪」タイプにダイヤモンドが施された約12mmの大粒パールリング。
とても立派な珠なのに、出番が少なく“お蔵入り”になっていたそうです。
「このパール、どうにかなりませんか?」——そんなご相談から始まりました。

冠婚葬祭用のパールリングはお持ちですか?
パールのご相談をいただいたとき、最初に必ずお聞きすることがあります。
「冠婚葬祭用のシンプルなパールリングはお持ちですか?」
“いざ”という時に一本あると安心なお道具として、必要だと考えているからです。
今回は「はい、持っています」とのこと。
それならば、今回のリフォームは思いきって“ファッション”方向に。
アイテムはリングで、日常で楽しめるデザインをご提案することに決まりました。
丸(パール)に、凛とした「線」を
パールはそれ自体が完成された“美しい丸”。だからこそ、装飾を重ね過ぎずシンプルな中に少しの個性を。
今回のテーマは、“丸”を引き立てる“線”。優美な曲線(パール)に、凛とした線(プラチナとダイヤモンド)を添えて、メリハリのある表情をつくります。
仕立てのポイント
- ベース:実際にお客様にご覧いただいた440のパールリングのシルエットをベースに、日常使いしやすい高さとバランスへ。
- ダイヤの縦ライン:お客様の「少しダイヤがある方が好き」というお声に合わせて、パールの上面サイドに“縦のライン”でダイヤを彫り留め。控えめながらも、光がスッと走るようなアクセントに。
- 素材と表情:プラチナの直線がきりりと冴え、大粒の“丸”とのコントラストがパールの艶とボリュームをいっそう引き立てます。
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実用性:立て爪のひっかかり問題を解消。指あたりが滑らかで、ニットの季節も気兼ねなくお使いいただけます。



“少しの個性”が光る、モダンなパールリングが完成
鏡の前で手を動かすたび、ダイヤの縦ラインに光が通り、パールの丸みがふわりと艶めく——。
お渡しの際には「このリングのおかげで、おしゃれが楽しみになりそうです」と、温かいお言葉と笑顔をいただきました。
すでにお持ちの冠婚葬祭用に加えて、日常で楽しむ“もう一本のパールリング”が、無事にクローゼットから第一線へと復帰です。
眠っていた一粒が息を吹き返し、日々を彩る相棒として再び輝きはじめる。その瞬間に立ち会えたこと、心より感謝しております。
お任せいただき、誠にありがとうございました。
それでは、次回のグログもお楽しみに。
パールリングのリフォーム
アイテム:リング
素材:Pt
宝石:パール約12mm、ダイヤモンド
制作期間:2ヶ月
費用:308,000円
デザイン:大森香菜江
※本記事でご紹介しているジュエリーは、制作時期と投稿時期に差があるため、地金価格や宝石の相場変動により費用が異なる場合がございます。また、宝石の大きさ・サイズ・デザイン内容などもお客様ごとに異なるオーダーとなります。
なお、今回はお客様のお持ち込み地金を下取りさせていただき、上記費用から差し引かせていただいた金額でのご精算となっております。
リフォームやオーダーメイドのご相談は、ご予約制にて半蔵門の440showroomで承っております。ご来店前にご不安な点やご質問などがございましたら、どうぞお気軽に公式LINEよりお問い合わせください。
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