以前開催した新作発表会の会場で、そのお客様は立ち止まりました。
展示していた新作ネックレスをじっと見てくださり、一緒にいらしていたお嬢様と、それからこう言ったんです。
「私が持っているダイヤモンドと、形も大きさも似てる」
少し間があって。
「こんなネックレスになるのかしら」
そのお二人の空気感が、忘れられません。
後日ご来店いただき、お持ち込みいただいたのは1本のリング。


0.74ctのペアシェイプのダイヤモンドがあしらわれたゴールドのリング。 そこに鮮やかな赤いルビーが一粒、留まっていました。
しばらく引き出しの中で眠っていたそうです。
お客様が新作発表会で心惹かれたのは、Actコレクションのダイヤモンドチャーム。
たっぷりとしたゴールドがダイヤを包み込む、シンプルで潔いトップです。飾らないからこそ、ダイヤモンドの輝きと地金の質感がそのまま出ます。Actは通常、開閉式の金具ですが、今回はO3ネックレスに合わせて通常バチカンに。


チェーンはO3ネックレス。角型のリンクがしっかりと連なる、440でも人気の一本です。長さは54cm、金具はつまみやすい大きめの引き輪に。お客様のご希望に合わせました。存在感のあるトップを受け止めるには、チェーンもそれなりの強さが必要で。柄やボリュームのあるお洋服の上でも、きちんと顔を出してくれます。

そして、ルビーをどこに使うか。
正面に持ってくる必要はない、と思いました。このネックレスの主役はダイヤモンドです。でも、せっかくのルビーを眠らせたままにはしたくない。
答えは、エンドパーツでした。

チェーンの端に小さく留めたルビーは、正面からは見えません。 後ろ姿に、ふと赤が光る。 それだけでいい。むしろそれがいい。
密かな赤を、知っているのは自分だけ。 そういうジュエリーは、きっと長くお守りのように大切にされます。
お受け取りにご来店いただいたとき、とても喜んでいただけました。
その後すぐに、お嬢様からもお便りが届いたんです。
「今日母が、受け取りに行き、大喜びでした。まだ実は見ていないのですが、興奮気味に話していたの聞いて素敵なネックレスにデザインして仕上げていただいたことに感謝の気持ちでいっぱいです!」
喜びが重なって、また届いてくる。 こういうとき、心がいっぱいになります。
発表会でふと立ち止まってくださったあの瞬間が、ここまで繋がってきたんだなぁと。
ジュエリーとの出会いって、そういうものだと思っています。
リフォームは、すぐにやらなきゃならないものではなく。ずっと「あのジュエリー、どうにかしたいな」と思っていれば、ふとした瞬間に「これだ!いまだ!」というタイミングが訪れるはず。そのステキな出会いを大切に、ジュエリーと共にステキな物語を紡いでください。
ダイヤモンドネックレスのリフォーム
アイテム:ネックレス
素材:K18イエローゴールド
宝石:ダイヤモンド0.74ct、ルビー
制作:約3ヶ月
デザイン:大森香菜江
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