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【リフォーム】オパールが、私を見てと言っていた。

オパールリング リフォーム後|円弧状のプラチナ枠にダイヤモンドを非対称に配置したモダンなデザイン|440showroom

以前、こちらのお客様のリフォームストーリーをご紹介しました。
お父様ゆかりのジュエリーたちが、プラチナの植物のブローチに、そして赤い石のブローチとピアスに生まれ変わった物語です。
【リフォーム】父のジュエリーが、目を覚ます日。
▶︎【リフォーム】 父のジュエリーから、もうひとつの物語。

今回は、その同じお客様から、新たにご依頼をいただきました。
テーマは、お母様とご自身のゆかりのお品たちです。

何度もリフォームをお任せいただくうちに、お客様がどんなジュエリーを好まれるか、どんな場面でつけたいと思っているか、自然と見えてくるものがあります。「かしこまりすぎず、でも品よく。決まりすぎないものが今は好き」——そんな感覚が、これまでの打ち合わせの積み重ねの中で伝わってきていました。だからこそ今回も、デザインの方向性はある程度お任せいただく形で、一緒に考えていくことができました。

「これ、全部持ってきました」

テーブルの上に広がったのは、パールピアス、ペリドットリングと様々なジュエリーたち。
お母様が大切にされていたもの、ご自身が以前購入されたもの、いくつもの時間が重なり合っていました。

こんなに素晴らしいジュエリーたちを1つのブローチにまとめたい。
そのご要望と向き合いながら、一つひとつを手に取っていたとき、私の目が止まったリングがありました。

オパールのリングです。

プラチナの枠に、オーバルのオパールが収まり、両脇にダイヤモンドが3粒ずつ並ぶ、クラシックで端正なデザイン。でも、不思議なほど目を引く。
光の角度によって、青が揺れ、緑が踊る。天然のオパールだけが持つ、あの一期一会の輝きです。

オパールリング リフォーム前|プラチナ枠にダイヤモンド3粒ずつのクラシックなデザイン

「これはどうされるご予定ですか?」

「あ、それは大したものではないですよね。もしかしたら処分するかも。」

その一言に、思わず手が止まりました。

「やめてください。絶対にそんなことしないでください。」

気づいたら口に出ていました。
こんな石を、処分なんて。手放すなんて。
こんなに美しいものが、引き出しの奥や、どこか知らない場所へ行ってしまうなんて、とてももったいない。

「これは単体でリングに仕立て直しましょう」と、半ば説得するように、今回のリフォームに加えさせていただきました。

デザインを考えながら、まずオパールをじっくり観察しました。

天然のオパールには、表情のムラがあります。
グリーンがよく乗っている部分は、何もしなくても自然と輝いてくれる。でも、ブルーだけが広がる部分は、少し奥に沈みがちです。

そこで、ダイヤモンドをどこに置くかを決めるとき、左右対称ではなく、ブルーが広がる方向へ斜めに寄せるように配置することにしました。
ダイヤモンドの輝きが隣に並ぶことで、沈みがちなブルーの面も引き立つように。

これはお客様にはお伝えしていません。
石と私だけの、静かな対話の中で生まれた配置です。

オパールリング リフォーム後|円弧状のプラチナ枠にダイヤモンドを非対称に配置したモダンなデザイン-1|440showroom
オパールリング リフォーム後|円弧状のプラチナ枠にダイヤモンドを非対称に配置したモダンなデザイン-2|440showroom

6粒のダイヤモンドは、等間隔でも左右対称でもなく、斜めにまとまるように。
それだけで、リングの表情がぐっと動きを持ち、現代的になります。

枠はオパールの丸みにリンクするように、ゆっくりとした円弧を描くデザインに。
プラチナをたっぷりと使い、指を包むアームも同じ丸みを持たせました。
なめらかなプラチナの艶と、オパールの揺れる色と、控えめに添えるダイヤモンドのコントラスト。シンプルで、でも確かに主役のある一本です。

オパールリング リフォーム後|円弧状のプラチナ枠にダイヤモンドを非対称に配置したモダンなデザイン-3|440showroom
オパールリング リフォーム後|円弧状のプラチナ枠にダイヤモンドを非対称に配置したモダンなデザイン-4|440showroom

もう一つ、実は機能的な理由もあります。
オパールは美しいぶん、繊細な石です。
周りをプラチナとダイヤモンドが囲むことで、外からの衝撃が石に直接当たる面積を減らすことができます。
毎日つけたいと思えるリングにするために、そのひと工夫もこっそり盛り込みました。

完成したリングをお渡ししたとき、お客様はしばらく無言でオパールを眺めていました。

「手放さなくてよかった」

その言葉が、すべてでした。

元々はブローチのリフォームがメインのつもりで持ち込んでくださったジュエリーたち。
でもこのオパールは、テーブルに並んだ瞬間から、ずっと私に語りかけてきていた気がします。

「私を見て」と。

新しい枠の中で、改めて主役の場所に収まったオパール。
お客様の手に渡り、これからその指の上で何度も輝くたびに、あのときの石との対話を思い出すと思います。

さて、残りのジュエリーたちのリフォームストーリーは、次回のブログへ。
お母様とご自身のゆかりのお品が、3本のラインの上でどんな景色を見せてくれたか。続きはぜひ読んでいただけると嬉しいです。


オパールリング リフォーム
アイテム:リング
素材:Pt(プラチナ)
宝石:オパール1.52ct(お持ち込み)、ダイヤモンド0.26ct(お持ち込み)
費用:429,000円(税込)
デザイン:大森香菜江

※本記事でご紹介しているジュエリーは、制作時期と投稿時期に差があるため、地金価格や宝石の相場変動により費用が異なる場合がございます。また、デザイン内容もお客様ごとに異なるオーダーとなります。


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