今回は、いつもの大森ではありません。
普段はあまり表に出ませんが、440の代表をしている込山です。
ブログを書くこともほとんどないのですが、帰国してから大森にあれこれ質問されまして。その流れで今回は、現地のことを少しお話しします。
2026年9月4日〜8日、440として2度目のVicenzaoroに出展してきました。
ヴィチェンツァでの再会や、新しく始まった仕事のこと。
いつも440を見てくださっている皆さんにも、少し聞いていただけたらと思います。
半年ぶりの再会
世界各国からジュエリーに携わる人が集まるVicenzaoroでは、言葉より先に、目線や手の動きにその人の関心が表れます。
どのジュエリーの前で足を止めるのか。何を手に取り、何を選ぶのか。
そこには、その国の文化や店の個性、そしてバイヤー自身の美意識が見える。長くこの仕事をしていても、これはなかなか面白いものです。
1月に440のブースを訪れてくださったブルガリアのリテーラーが、今回も会いに来てくれました。
たくさんのお土産を抱えて。

再びジュエリーを選んでいただき、「Tutu」をはじめ、新しいオーダーも任せてもらうことになりました。
展示会は、その場で売れた、売れなかったという話だけではありません。
一度出会い、半年後にまた同じ場所で顔を合わせる。話の続きをする。その繰り返しの中で、少しずつ仕事が始まっていきます。
時間はかかりますが、私はそのくらいがいいと思っています。
パドヴァとカサブランカへ
今回は新たに、イタリア・パドヴァと、モロッコ・カサブランカのリテーラーとの取引も始まりました。
パドヴァのバイヤーが選んだのは、「Art Déco Modernism」のリング。約0.9ctの変形ダイヤモンドを使った、大振りでありながら繊細さのある一点です。

カサブランカのバイヤーは、キャメルをモチーフにしたジュエリーの前で足を止めました。

砂漠のある国の人が、東京でつくったキャメルを見つける。
こちらが想像していなかったところで、ジュエリーと土地がつながることがあります。
つくり手の意図だけが、デザインの答えではない。誰かが自分の感覚で見つけてくれたとき、そのジュエリーにはまた別の物語が生まれる。
海外で作品を見せる面白さは、そういうところにもあります。
半蔵門でしてきたこと
Vicenzaoroは、世界のプロが商品を見極め、取引をするBtoBの展示会です。
一方、東京・半蔵門の440showroomでは、一人ひとりのお客様と向き合いながら、ジュエリーをつくっています。
オリジナルジュエリーの販売、石の買い付け、オーダーメイド、受け継がれたジュエリーのリフォーム。
石を見て、話を聞き、その人が長く身につけられる形を考える。これが、私たちが普段している仕事です。

今回、海外のバイヤーが選んだのも、特別に世界向けにつくったジュエリーではありません。
半蔵門で皆さんにご覧いただいているものと同じ、440のジュエリーです。
東京で大切にしてきた石の選び方や線の美しさ、仕立ての細部を、国の異なるプロが見つけ、選んでくれた。
それは素直に嬉しい。
そして、これまで440を選び、身につけてくださった皆さんにも、少し誇らしく感じてもらえたら、さらに嬉しく思います。
皆さんが感じてくださっていた440の魅力は、きちんと海の向こうにも届いていました。
パドヴァの夜
展示会の合間には、1月に見つけたパドヴァのローカルレストランを再び訪れました。
英語はほとんど通じず、ワインはラベルのない瓶に入って出てきます。
そこで初めて、本場のアーリオ・オーリオを食べました。
美味しかった。ただ、自分でつくる方が好みでした(笑)。

食後にはカプチーノも。
イタリアでは午前中に飲むものだと聞いていましたが、この店ではごく自然に出てくる。
何度訪れても、分かったようで分からない。イタリアはそれくらいでちょうどいいのかもしれません。
また、次の1月へ
次回、2027年1月のVicenzaoroへの出展も決まりました。
今回選ばれたもの、交わした会話、現地で見たものを持ち帰り、また次のジュエリーをつくります。
世界へ向かうことと、半蔵門で目の前のお客様に向き合うことは、私の中では同じ仕事です。
石を見極め、細部まで考え、長く愛されるものをつくる。
世界のどこにあっても、440のジュエリーであること。
その軸は変えず、次のヴィチェンツァへ向かいます。
いつも440を選び、応援してくださる皆さんへ。
ありがとうございます。
