こんにちは、デザイナーの大森です。
ある日ふと、お客様からこんなご相談をいただきました。
「香菜江さん、オレンジ色の宝石のピアスってありますか？」
…オレンジ色のピアス？
頭の中でジュエリーとルース（裸石）の棚をぐるぐると巡らせ、浮かんだのが、トロンとした艶とみずみずしい発色が魅力のシュガーローフカットのカーネリアン。
ちょうどその時、ショーケースに並べていたカーネリアンのリングをご覧になって、
「この感じ、すごく好きです」と笑顔で言ってくださった瞬間、私の中でピタッとイメージが重なってすごく嬉しかったのを覚えています。
ところが…
在庫のシュガーローフカットのカーネリアンは、ちょうど完売していて。
宝石との再会は、“ご縁”と“タイミング”
「少しお時間をいただければ、探してみますね」
そうお伝えしてからというもの、私の頭の中はカーネリアンでいっぱいに。
実はこのカーネリアン、数年前に買い付けたときも「このカットは珍しいな」と思って迎えたルースだったんです。
宝石の世界はまさにご縁とタイミング。あるときにはある。でも「今ほしい」と思ったときには、なかなか出会えないのがまた面白いところ。
色・大きさ・形・艶感。
どれも妥協せず探し続けて、ようやく「これだ！」と思える2つのルースに出会うことができました。
テーマは、すでに決まっていた
実はこの時点で、お客様の中にはすでに完成イメージがありました。
それは、以前オーダーしてくださったピアスと同じテイスト。
宝石をそっと包み込むような大ぶりの爪は、まるで動物の爪のような力強さが特徴。
シンプルだけど、ちゃんと“個性”がある。
手に取るたびにワクワクして、「やっぱり頼んでよかった」と思っていただけるような、そんなジュエリーを目指して仕立てていきました。
「このピアスも、大切なひとつになりそうです」
ご納品のときには、以前お作りしたピアスを今も愛用してくださっているお話も聞かせていただいて、もう…胸がいっぱいに。
「このカーネリアンも、季節や服に合わせて楽しみますね」
そんなふうに温かいお言葉をかけてくださり、デザイナーとして何よりのご褒美です。
オレンジやブラウンカラーがお好きなお客様。
そのあたたかな雰囲気や、ライフスタイルに今回のジュエリーがそっと寄り添ってくれたら嬉しいなと思います。
お話しをくださってからお時間をたくさんいただき、本当にありがとうございました。
またひとつ、お客様と一緒に宝石の思い出を紡ぐことができたこと心から感謝しています。
それでは、次のブログもお楽しみに。
カーネリアンピアスのオーダーメイド
アイテム：ピアス
素材：K18YG
宝石：カーネリアン
制作期間：約半年
デザイン：大森香菜江
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