こんにちは、デザイナーの大森です。
「この部分は気に入ってるんですけど…」
そうおっしゃったお客様のひと声から始まったのは、“お気に入りだけを残して”
新たなカタチに生まれ変わる、リングからネックレスへのリフォームでした。
「ここだけ残せたら」
お預かりしたのは、約1ctのダイヤモンドをぐるりとメレダイヤモンドが囲んだ華やかなゴールドのリング。
お客様がそっと指をさしてくださったのは、まさにセンター部分。
「この小さなダイヤで囲ったデザインが好きで…」と、大切そうに語ってくださいました。
センターストーン(主石)をメレダイヤなどでぐるりと囲んだデザインのことは、「ヘイロー(Halo)」や「取り巻き」とも呼ばれています。
※本記事では表記を「ヘイロー」に統一しています。
リングとしてはもう使わないけれど、このヘイローデザインはそのまま活かしたい。
そんなお気持ちに応えられるよう、ネックレスのデザインをご提案させていただきました。

もうひとつのリングから、石のリレー
さらに、「実はもうひとつリングがあって……この石も使えたら嬉しいんです」
と、メレダイヤが8石あしらわれたプラチナ製のリングもお持ちくださいました。
少し遠慮がちにお話しくださるご様子に、思わず「もちろん使えますよ!」とお返事。
もちろん、サイズや状態によっては難しい場合もありますが、こちらのリングの石たちは十分に活用できると判断しました。
お好みは、「シンプルだけど、ちゃんと主役がわかるデザイン」。
そこでご提案したのは、お気に入りのヘイローデザインをそのままネックレスのトップに再構築し、チェーンにはプラチナ製のリングから外したメレダイヤを、リズミカルに左右4石ずつ散りばめるアレンジです。

思い出の石が、“今の私”にフィットするかたちへ
こうして仕上がったのは、約1ctのセンターダイヤを取り巻く華やかなヘイロートップに
繊細なきらめきを添えるメレダイヤが連なる、K18YGのネックレス。
チェーンに並ぶ8石のメレダイヤたちは、どの位置に・どのくらいの間隔で配置すると自然か、どこに“リズム”を持たせるか……じっくりとバランスを考えながら、ひとつひとつ丁寧にステーションネックレスへと仕立てました。
なお、今回使わなかった石たちはご返却し、「これも素敵な石なので、ぜひまたいつか別の形でよみがえらせてあげてくださいね」と。

「好きなところ」は、ちゃんと活かしていいんです
リングとしての役目を終えた宝石たちが、ネックレスとして新しい日々をともに過ごせるように。
こうやって自分にとって心地よいスタイルで大切なジュエリーと、これからも一緒にいられるってすごく幸せなことだと思います。
「ここは気に入ってるけど、なんとなく使わなくなっちゃって…」
そんなジュエリーがもし手元にあったら、ぜひお気軽にご相談ください。
ジュエリーの“かかりつけ”のような存在として、おひとりおひとりの「好き」に寄り添っていけたらと思っています。
このたびも、大切なご依頼を本当にありがとうございました。
それでは、次のブログでもお会いしましょう。
ダイヤモンドネックレスのリフォーム
アイテム:ネックレス
素材:K18YG
宝石:ダイヤモンド
制作期間:約2ヶ月
費用:税込297,000円
デザイン:大森香菜江
※本記事でご紹介しているジュエリーは、制作時期と投稿時期に差があることや、地金価格や宝石の相場により費用が変動する可能性がございます。また、宝石の大きさやリングサイズ、チェーンの長さもお客様ごとに異なるオーダー内容となっております。
リフォームやオーダーをご検討の際は、どうぞお気軽にご相談くださいませ。