こんにちは、
デザイナーの大森です。
ジュエリーには、身に着ける人の想いが込められています。
その想いが新しい形に生まれ変わる瞬間には、特別な物語が紡がれるものです――今日はそんなジュエリーリフォームの魅力をご紹介します。
「大森さんは、月にどのくらいリフォームを請け負っているんですか。」
その質問を受け、ふと考えました。
「これまで私が手掛けたジュエリーってどのくらいあるんだろう?」
私がジュエリーの仕事に就いたのは2007年。
ありがたいことに、入社直後からジュエリーデザイナーとしての経験を積ませていただきました。
かれこれ17年、宝石の買い付けからCADオペレーション、販売まで、ジュエリーが生まれ、お客様の手に届くまでのすべてに携わってきました。
これまでに手掛けたジュエリーの数は、振り返ってみると4000件を超えていました。
これもすべて、お客様とのご縁のおかげです。本当にありがとうございます。
さて、今日は、冒頭の質問を投げかけてくださったお客様よりご依頼いただいたリフォーム事例をご紹介します。
お持ち込みいただいたのは、なんと10点のジュエリー。
ご家族から譲り受けられたという大切なジュエリーを「これらすべての宝石を使って1つのジュエリーにしたい。」というご相談でした。
リフォーム前のジュエリー
初めてお話を伺った際、お客様には具体的なデザインのイメージがまだなく、どのように進めるかを一緒に考え始めることに。
そこで、じっくりと対話を重ね、まずはリングのデザイン案をご提案しました。
後日、そのデザインをご覧いただき、とても喜んでいただけたのですが、「普段使いできるか不安」とのことで、ピアスへのデザイン変更をご希望されました。
「ピアスなら、カラフルな宝石も日常的に使いやすいはず」と考え、フープピアスのデザインに決定。
コミュニケーションを重ねる中で、お客様が本当に「着けたい!」と思えるジュエリーの形が見つかりました。
さまざまな形や色の宝石をどう配置するか、お客様のお顔立ちや雰囲気、ライフスタイルを想像しながらデザイン設計しました。
CADで詳細なデザインを確認し、お客様のご納得をいただいた上で、制作へと進行。
実際にご確認いただいたCADデザイン
完成したのは、一つとして同じ宝石がない、左右非対称のデザインが魅力的なフープピアス。
それぞれの宝石が調和し、身に着けるたびに新しい表情を楽しめる、まさに唯一無二のジュエリーが誕生しました。
リフォーム後のピアス
引き取りのご来店をいただいた際、お客様からは「こんな素敵なピアスになるなんて想像以上」と大変喜んでいただきました。
その後も「毎日のように愛用しています」というお便りをいただき、私自身も心が温かくなりました。
ジュエリーには、ただ身に着けるだけではなく、思い出や物語といった特別な価値が宿っています。
それを新しい形で未来に繋ぐお手伝いができることに、心から感謝しています。
これからも、皆様の想いを形にするお手伝いを続けていきたいと思います。
それでは次のブログでお会いしましょう。
カラーストーンフープピアスのリフォーム
アイテム:ピアス
素材:K10
宝石:さまざまなカラーストーン、ダイヤモンド
制作期間:最初のご相談日より約6ヶ月(デザインが決まってからは約2ヶ月)
費用:税込330,000円
デザイン:大森香菜江