こんにちは、
デザイナーの大森です。
今日は、
記念で譲り受けたカメオのブローチを、クラシカルな雰囲気はそのままに、
ぐっと華やかに生まれ変わらせたリフォームストーリーをお届けします。
お預かりしたのは、
胸元にダイヤモンドのネックレスをまとった女性の横顔が彫られたカメオ。
ゴールドのシンプルな枠に収められた、クラシカルなブローチでした。
リフォーム前のカメオブローチ
レトロすぎて、使えずにいたブローチ
「大切な記念だし、カメオ自体はとても素敵なんですが……
周りのゴールドの主張が強くて、ちょっとレトロすぎる気がしてしまって。」
「周りに小さなパールをつけて、もう少し華やかにできますか?」
というご相談から、今回のリフォームがスタートしました。
薄いゴールド枠だからこそ選んだ方法
本来なら、カメオの周りの枠にゴールドの芯を一本ずつ立てて、
その芯にパールを接着していくのが理想的です。
ただじっくり拝見すると、こちらのブローチは
ゴールド枠がとても薄く、繊細につくられているタイプ。
この厚みだと火を入れてロウ付けをする際に、
枠が変形してしまったり、最悪溶けてしまうリスクがあります。
記念のブローチを傷めるわけにはいきません。
そのため、無理に火を入れる加工は避け、別の方法をご提案しました。
3.8mmのアコヤパールを22粒、ぐるりと一周
そこで選んだのが、
- 3.8mmのアコヤ真珠を22粒使って一連の輪に仕立てる
- そのパールの輪が、カメオの周りのゴールド枠に心地よく沿うように設計する
- パールの連なりをひとつのパーツとして、面でしっかりと接着する
という方法です。
パールを一粒ずつバラバラに接着してしまうと、
どうしても接着面が小さくなり、外れるリスクが高くなります。
一度「パールの輪」として組み上げることで、
それぞれのパールが支え合い、接着面も大きく取ることができます。
リフォーム後のカメオとパールのブローチクラシカルなカメオが、華やかな一点もののブローチに
中央にはダイヤモンドのきらめき、
周りにはふんわりとしたテリをまとったアコヤパール。
ダイヤモンドとパール、異なる2つの輝きが互いを引き立て合う、
クラシカルで華やかなカメオブローチに仕上がりました。
レトロな印象が強かったブローチが、
「きちんとした装いの日に、少し特別な気分でつけたい一品」
に生まれ変わりました。
リフォーム後のカメオとパールのブローチ
フランスでも褒められた、特別な一品に
お客様はご遠方にお住まいのため、
完成したブローチは心を込めてお包みし、配送にてお届けしました。
「たった今受け取りました!」
「カメオブローチは想像していた通り、というか、前から私パール付いてましたよ、みたいな感じで現れました。
ネイビーブレザーにつけてみたら、端正なネイビーに白の柔らかい優しさとカメオの強さがしっくり馴染んでピッタリ。」
とあたたかいメッセージをいただき、私もほっと一安心。
さらに数ヶ月後、こんなご報告もいただきました。
「このカメオブローチをつけて、仕事でフランスに行ってきました。
ジャケットの襟につけていたら、フランスの方にとても褒められました!」
遠くフランスの地で、このブローチがお客様の装いをクラシカルに、
そして華やかに彩っていることを想像し、
作り手としてとても嬉しい気持ちになりました。
記念のジュエリーに、「つづきの物語」を
今回のカメオブローチは、
お客様が記念で譲り受けたジュエリーたちのうちのひとつです。
この“つづきのリフォーム”も次のブログでご紹介させていただきますね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、次回のグログもお楽しみに。
カメオブローチのリフォーム
アイテム:ブローチ
素材:K18YG
宝石:カメオ、アコヤ真珠
制作期間:1ヶ月半
費用:77,000円
デザイン:大森香菜江
※本記事でご紹介しているジュエリーは、制作時期と投稿時期に差があるため、地金価格や宝石の相場変動により費用が異なる場合がございます。また、宝石の大きさ・サイズ・デザイン内容などもお客様ごとに異なるオーダーとなります。
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