皆様こんにちは。
デザイナーの大森です。
前回の投稿では、ぷっくりとした丸みが特徴のゴールドリングのリフォームをご紹介しました。
今日は、ゴールドの質感と直線のエッジにこだわった職人技が光るリングリフォームについてお話しします。
今回ご相談いただいたお客様も広島県からお越しいただきました。
遠方から足を運んでくださることに、心から感謝するとともに、日々の活動が誰かの心に届いているのだと自信をいただきます。
お持ちいただいたのは立て爪のダイヤモンドリング。
リフォーム前のダイヤモンドリング
今は少し使いづらいデザインですが、こちらのリングにセットされたダイヤモンドは、なんと2ctという圧巻の存在感!
お客様は、何年もリフォームを検討されていたそうです。
そんな中で私たちを見つけてくださり、今回ついにご相談に至りました。
こちらのダイヤモンドはサイズだけでなくカラー、クラリティ、カットすべてが申し分ない逸品。
華奢なデザインではこの迫力に負けてしまうのでは?と感じるほどの輝きを放っていました。
そんな特別な宝石を生まれ変わらせるデザインとしお客様が事前にデザインを決めてくださっており、選ばれたのは440の『Carré』コレクション。
5つの正方形のゴールドが規則正しく並び、精緻な直線のエッジが特徴的なデザインです。
ラウンドカットのダイヤモンドとシャープなゴールドのラインが絶妙に融合し、力強さと滑らかさを兼ね備えたリングに仕上がる予感に、私も心が躍りました。
私たちがジュエリー作りで大切にしているのはバランスです。
ラウンドカットのダイヤモンドの丸みとゴールドの直線的な角、大きさとの調和を追求しました。
2ctという存在感を支えるために、0.1mm単位でボディのボリュームを調整。
また、ダイヤモンドの輝きが際立つよう他の宝石をあえて使わず、ゴールドの仕上げに徹底的にこだわりました。
ゴールドの美しい角を際立たせるため、ボディと石座を別々に製作し、磨き上げた後に組み立てるという手間を惜しまず、完璧な仕上がりを目指しました。
リフォーム後のダイヤモンドリング
完成したリングは、ゴールドとダイヤモンドの魅力を最大限に引き出したシンプルかつ大胆なデザイン。
美しさと想いを優しく包み込むような温かさを持ちつつ、お客様のパーソナルを引き立てる逸品となりました。
リフォーム後のダイヤモンドリング
完成後、お客様には東京へのご来訪が難しいとのことで、配送にてお届けしました。
到着後すぐに、「素敵に仕立てて頂きありがとうございます。これならカジュアルに着けられそうで嬉しいです。」という嬉しいメッセージをいただきました。
長い間悩まれた末に私たちにお任せいただけたこと、そしてその結果にご満足いただけたことに、心から感謝の気持ちでいっぱいです。
ジュエリーが紡ぐストーリーが、こうしてまたひとつ未来へ繋がっていく。そのお手伝いができる喜びを胸に、これからも一つひとつの作品に心を込めてお届けしてまいります。
それでは次回のブログもお楽しみに。
ダイヤモンドリングのリフォーム
アイテム:リング
素材:K18
宝石:ダイヤモンド2.015ct
制作期間:約1ヶ月半
費用:税込594,000円
デザイン:大森香菜江