こんにちは。
デザイナーの大森です。
今日ご紹介するリフォームストーリーの主役は、プラチナの立て爪にセットされた0.4ctのダイヤモンド。
お持ち込みされたリングには、年月を経てもなお美しい輝きを放つダイヤモンドが留められていました。
昔は定番だった立て爪リングも、今のファッションや日常には少しマッチしづらい…。
でも、宝石そのものは本当に素敵だから、今のご自身に似合うかたちで蘇らせたい。
そんな思いから、リフォームのご相談をいただきました。

美しさはそのままに、スタイルは今の自分へ
ご相談の中で、お客様と一緒に440のジュエリーをご覧いただいていると、
ふと手が止まったのが、ゴールドのフルエタニティリング。
細身のリングに、小さなダイヤモンドが一周ぐるりと整列された美しいデザインです。
「このリングに、私のダイヤモンドを合わせることってできますか?」
そのご質問に、私は即答で「はい、きっと素敵に仕上がります」とお伝えしました。
サイズ選びは、“ほんの少し”の差で決まる
フルエタニティリングは、完成後のサイズ直しがとても難しいため、最初のサイズ選びがとても重要です。
リングゲージで何度も試していただき、7号は少しきつく、8号だとゆるい。
「7.5号も制作できますよ」とお伝えしたのですが、センターストーンがあるタイプなので、指の節を通した後にくるくる回ってしまわないかという不安もあり…。
そこで決定したのが7.1号という中間サイズ。
ほんの少しの違いですが、「これなら心地よく着けられそう」とお客様も納得のサイズになりました。
主役のダイヤに、あつらえた場所を
お預かりしたリングから、ダイヤモンドを丁寧に取り外し、石の直径や高さを細かく測定。
その一石のためだけに、リング全体の構造をゼロから描き起こしました。
メインのダイヤモンドは、小さめの4本爪でふわりと浮かぶようにセット。
ボディには、メレダイヤモンドを一周ぐるりと留めて、光のリズムが途切れないように。
手元に静かに寄り添いながら、どこか芯のある強さも感じさせる。
そんな佇まいに仕上がりました。


指にはめた瞬間に伝わるもの
完成のご連絡から数日後、ご来店くださったお客様。
お互いにちょっと緊張しながら、「サイズ、どうかな…?」と指に通していただくと——
ぴったり。
表情がぱっと明るくなり、
「デザインもサイズも、すべて大満足です」とのお言葉。
サイズ感も、輝きも、お客様の気持ちとぴたりと重なってくれた気がして、私も本当に嬉しく思いました。
“お気に入り”に育っていくジュエリーへ
しばらくして、お客様から嬉しいメッセージをいただきました。
「リフォームいただいた指輪は、毎日!愛用しております。
重ねづけする時も、どの指輪とも自然にマッチして、
今では手持ちの中でいちばんのお気に入りになっています。」
こうして新たな日常の一部として使っていただけることが、何より嬉しい。
ジュエリーは、納品して終わりではなく、暮らしの中で育っていく存在だと、改めて感じさせられます。
またひとつ、素敵な物語に関わらせていただけたこと。
心から感謝しています。ありがとうございました。
それでは、次のブログでお会いしましょう。
ダイヤモンドリングのリフォーム
アイテム:リング
メタル:K18YG
宝石:ダイヤモンド0.44ct、0.33ct
制作期間:約1ヶ月半
費用:税込209,000円
デザイン:大森香菜江
地金を下取りさせていただきましたので、お客様には上記の費用から下取り分を差し引いた金額を頂戴しております。なお、宝石の大きさやリングサイズ、材料の相場により費用は変動いたします。どうぞお気軽にご相談ください。