こんにちは。
デザイナーの大森です。
今日は、親子3人のあたたかな絆が込められた、とても素敵なリフォームのお話をさせてください。
「母が元気なうちに、母のジュエリーを“今の母”に似合う形にしたいんです」
そう言ってお客様が見せてくれたのは、お母様の赤珊瑚のネックレスと、翡翠のリングでした。
そしてもうひとこと。
「ネックレスから余った珊瑚で姉と私にも、それぞれ身につけられるジュエリーにしたくて」
1本のネックレスからはじまったこのご依頼は、3人それぞれの想いをつなぐリフォームへと広がっていきました。

リフォーム前の珊瑚ネックレスと翡翠リング
母の赤珊瑚を、今の母へ
お持ち込みされたネックレスには、つややかな赤珊瑚が連なっていて、大きさのグラデーションがとても美しいものでした。
けれどお客様は、「丸い赤い珊瑚はちょっと自分にはまだしっくりこなくて…」と少しだけ悩まれているご様子。
まずは、お母様が普段から気軽に身につけられるジュエリーをお仕立てすることにしました。
赤い珊瑚は、たくさん連なるとお色の印象が強くなります。
そこで、印象を和らげながらも素材の美しさを活かせるよう、繊細なピンクゴールドのチェーンに小さな赤珊瑚をポイント使いした、ロングのステーションネックレスにお仕立てしました。
多面体カットのミラーボールを間に挟み、上品な煌めきが赤珊瑚の美しさを引き立たせたデザイン。
赤のトーンが散らされることで、どんな装いにも自然に馴染む、軽やかな1本が生まれました。

金具を主役に。翡翠のリングと融合
そしてもう一つお預かりしたのが、翡翠のリング。
さらに、赤珊瑚のネックレスのクラスプ(留め具)がとても素敵で、細やかな細工が施されたレトロなデザインだったため、このパーツもぜひ生かすことに。
赤珊瑚の小さな粒と翡翠、そしてゴールドのクラスプ。
どれも個性があり、それぞれが主役のような存在。
だからこそ、オープンリングという形で、それぞれの素材が主役になるようなデザインにしました。
赤と緑とゴールドのコントラストが美しく、お母様の手元で静かに存在感を放つ仕上がりになりました。


そして、姉と私へ
完成したジュエリーをご覧いただいたお客様がひとこと。
「母が喜ぶと思います…今度は姉と私の分もお願いしたいんです」
赤珊瑚のネックレスには、まだまだ美しい珠がたくさん残っています。
その中から、お姉様用のデザインはただいまご提案中、そしてお客様ご自身のデザインはすでにお仕立て中♡
どんなジュエリーが生まれるのか、これもまたお楽しみに。
大切な想いを、未来へつなぐお手伝い
受け継いだ赤珊瑚。
それは、ただの素材ではなく、お母様の長年の思い出が詰まった大切なジュエリー。
そして今、それが「今の母」に似合うデザインへと生まれ変わり、
さらには、娘たち2人へと受け継がれていこうとしています。
1本のネックレスから広がった、3人の物語。
その一歩をお手伝いできたこと、心から感謝しております。
完成したら、またこちらでご紹介させてくださいね。
それでは、次回のブログもお楽しみに。
珊瑚ネックレスのリフォーム
アイテム:ネックレス
メタル:K18PG
宝石:珊瑚
費用:税込110,000円
珊瑚と翡翠リングのリフォーム
アイテム:リング
メタル:K18PG
宝石:珊瑚、翡翠
費用:税込176,000円
制作期間:約2ヶ月
デザイン:大森香菜江
地金を下取りさせていただきましたので、お客様には上記の費用から下取り分を差し引いた金額を頂戴しております。宝石の大きさやリングサイズ、材料の相場により費用は変動いたします。どうぞお気軽にご相談ください。