こんにちは、デザイナーの大森です。
今日は、「テニスブレスレットをバングルにリフォームしたい」というご相談から始まったリフォームストーリーをご紹介します。
実は「とても素敵」なテニスブレスレット
お客様がお持ち込みくださったのは、トータル3ctのダイヤモンドが一周連なる、プラチナ枠のテニスブレスレット。
すでに十分楽しまれてきたご様子で、石の質もコンディションも申し分ありません。まさに「王道の定番」と呼ぶにふさわしいジュエリーです。
けれどお客様は、
「何度か金具の修理をしても、やっぱり緩くなってしまって…。落としそうで不安で、最近は着けていないんです」
とお話しくださいました。
つまり、今回のリフォームのきっかけは、デザインだけでなく “実用性の見直し” にもありました。
ご希望は「バングルにしたい」
新しくバングルを購入するのもいいけれど、せっかく手元にあるこのブレスレットを活かしたい——
そんなお気持ちからのご相談です。
バングルは、形状が固定されているため、テニスブレスレットよりも着脱しやすく、金具の心配も軽減されます。
さらに、クールでモダンな印象に生まれ変わることで、より日常使いしやすくなるのではと、お客様もお考えでした。
石を外して新しく?それともこのまま?
ダイヤモンドを一つずつ外し、まったく新しくお作りすることも可能です。
ただし、
-
ダイヤのサイズや数が既製品とは異なる
-
ダイヤモンドに合わせて、一つひとつ枠を作り直す必要がある
といった点から、時間やコストを含めて「果たしてそれがベストな方法なのか?」と悩みました。
そこでお客様とじっくりお話を重ね、最終的に出た答えは——
「今のテニスブレスレットをそのまま活かして、バングルへリフォームする」 という選択でした。

実用性も美しさも妥協しないバングルへ
現状のテニスブレスレットをベースに、以下の点にこだわってお仕立てしました
-
幅とカーブを見極め、お客様の手首にフィットする形状に
-
しなやかさと強度を両立させるよう、土台をしっかり補強
-
素材はK18ホワイトゴールドで耐久性を高めつつ、既存のプラチナ枠と美しく調和
完成したバングルは、まるで最初からそうだったかのように堂々とした佇まい。
内側には、K18ホワイトゴールドの土台と既存プラチナ枠とのロー付け部分が美しく仕上げられ、職人技がひそやかに光っています。

リフォームは“直す”だけじゃない
ジュエリーリフォームというと「デザインを大きく変える」イメージをお持ちの方も多いかもしれません。
けれど今回のように “今ある魅力をそのままに、心地よくフィットするかたちへ” とリフォームするのも、とても素敵な選択肢です。
「このままでは使いづらい」
「でも、石もデザインも気に入っている」
そんな風にお悩みの方に、ぜひ知っていただきたい事例になりました。
ご相談くださったお客様に、心より感謝申し上げます。
それでは、次回のブログもお楽しみに。
ダイヤモンドバングルのリフォーム
アイテム:バングル
メタル:Pt900、K18ホワイトゴールド
宝石:ダイヤモンド3ct
制作期間:約2ヶ月
デザイン:大森香菜江