こんにちは。
デザイナーの大森です。
お気に入りのジュエリーをうっかり落としてしまい、欠けたり傷ついたり…。そんなとき、皆さんはどうしていますか?
「大切なジュエリーだから、このまま使いたいけど、やっぱり気になる…」
「修理できるの? それとも買い替えた方がいい?」
そんなお悩みを抱えたことがある方も多いのではないでしょうか?今日は、実際に欠けてしまったペンダントトップをリフォームして蘇らせたストーリーをご紹介します。
「大森さん、どうにかなりませんか?」
ある日、お客様からこんなご相談をいただきました。
「大好きなペンダントトップを落としてしまい、角が欠けてしまったんです…。どうにかできませんか?」
お預かりしたのは、六角形の結晶が特徴的なペンダントトップ。中央には、繊細な馬のモチーフが施されています。ざらざらとした結晶の質感に、マットなゴールドの馬が映える、シンプルながら個性が光るデザイン。
よく見ると、ちょうど馬の前足の下あたりが欠けています。パッと見ではそれほど目立ちませんが、お客様にとってはどうしても気になるとのこと。
さらに、お客様は鮮やかな赤い宝石も一緒にお持ちでした。
「この石も活かせたら…」と、リフォームの可能性に期待を寄せていました。
リフォーム前のペンダントトップと赤色石
修理?リフォーム? どうすればいい?
欠けた宝石の対処法は、大きく分けて『修理』と『リフォーム』があります。
- 修理 = 宝石の欠けた部分をリカット(再研磨)し、形を整える。
- リフォーム = 宝石の欠けた部分を活かしながら、新たな形に生まれ変わらせる。
今回のペンダントトップの場合、ただリカットするだけでは再び欠けてしまうリスクがあるため、デザインを活かしながら、安心して使える形にリフォームすることに決まりました。
今回のデザインポイントは、
- 宝石が再び欠けにくいよう保護すること
- 欠けた部分を目立たなくすること
- お客様の持っていた赤い石を活かすこと
まず、六角形のペンダントトップを守るためにゴールドの枠を作成。あえて完璧な六角形ではなく、手作り感のある自然なフォルムにすることで、石のナチュラルな美しさを引き立てます。
そして、欠けてしまった部分には赤い石をセッティング 。鮮やかな赤と黒のコントラストが映え、よりクールな印象に仕上がりました。
さらに、ペンダント全体のゴールドには、馬のモチーフと同じマットな質感を施し、一体感のあるデザインに。もとのシンプルさはそのままに、ボリューム感と品格が加わったペンダントトップへと生まれ変わりました。

リフォーム後のペンダントトップ
完成したペンダントトップを手に取ったお客様は、
「また身につけたくなるアイテムに蘇りました!」と、大変喜んでくださいました。
ジュエリーには、無限の可能性があると私は信じています。「壊れたら終わり」ではなく、そこから新しい形へと生まれ変わることができるのです。
もし「欠けてしまった宝石やジュエリー、どうしたらいい?」とお悩みなら、ぜひ一度ご相談ください。大切な想いを受け継ぎながら、もう一度輝くジュエリーへと生まれ変わらせましょう。
それでは、次回のブログでお会いしましょう。
黒色石ペンダントトップのリフォーム
アイテム:ペンダントトップ
素材:K18YG
宝石:黒色石、赤色石
制作期間:約1ヶ月半
費用:税込121,000円
デザイン:大森香菜江