こんにちは、
デザイナーの大森です。
前々回の投稿(リング)と前回の投稿(ネックレスとピアス)に引き続き、今回お任せいただいた「リング」のリフォームストーリーをご紹介します。こちらが同じお客様からのこの度の最後のリフォームのご依頼です。
今回のご相談は、以前リフォームで使用したリングの元枠と、新たにお預かりした2つのリングを合わせた、計3つのリングをリフォームするというもの。すべてのリングには四角いダイヤモンド(プリンセス、スクエアカット)がセットされており、それぞれカットや大きさが異なります。
リフォーム前のリング
お客様は、たくさんのジュエリーを重ねて楽しむのがお好きな、とてもおしゃれな方です。そこで、今回リフォームするリングも重ね着けができるデザインを目指し、3つのシンプルな一文字リングを作ることにしました。これには、前回や前々回のリフォームジュエリーと合わせても自然に溶け込むデザインという狙いもありました。お客様もこの提案に快く賛成してくださり、早速デザインを進めることに。
今回のテーマは「普段使いしやすく、気軽に楽しめるリング」です。
前々回の投稿のカラフルで華やかなリングはお出かけ向きでしたが、今回は日常に寄り添うアイテムとしてデザインしました。
中央に配置するリング
- メインとなるリングには、大きめのプリンセスカットのダイヤモンドを6石使用。
- 普段使いしやすいよう、レール留めでしっかりと固定しました。
- ダイヤモンドだけではシンプルすぎる印象を避けるため、元枠にセットされていたラウンドカットのダイヤモンドを両サイドに1石ずつ加え、バランスを調節。
両側を挟む2つのリング
- 小さめのスクエアカットのダイヤモンドをあしらいました。
- 幅を少し抑え、中央のリングを引き立てる控えめなデザインに仕上げました。
全体の仕上げ
- 素材には肌なじみの良いピンクゴールドを採用。
- 単品でも十分美しいデザインですが、3つを重ねることで華やかさと楽しさが増し、さらに魅力的なリングとなりました。


リフォーム後のダイヤモンドリング
こうして完成した3つのリングで、この度のリフォームプロジェクトは無事に終了しました。お客様と一緒にデザインや仕上がりについて話し合い、長い時間を共有できたことが何より嬉しかったです。
最初にお預かりしたジュエリーを「今でも身に付けられるもの」と「絶対に使わないもの」に仕分けることから始まったこのリフォームストーリー。
お客様とジュエリーが喜ぶ選択を一緒に探す、そんな大切な一歩を踏み、
「絶対に使わないもの」と判断されたジュエリーは、新しい命に吹き込むことでさらに愛着が湧いて、お客様とジュエリーがもっと幸せになれるようお手伝いすることができました。
大切なジュエリーだからこそ、お客様の想いを第一に考え、愛用したくなるデザインを生み出す。このプロセスは、私自身にとっても良い刺激となり、新たな創作へのエネルギーをいただきました。
たくさんのジュエリーのリフォームをお任せいただき、本当にありがとうございました。どれもお客様の日常に溶け込み、大切にご愛用いただけることを想像すると、心から幸せを感じます。
また次回、素敵なジュエリーのリフォームストーリーをお届けしたいと思います。
ダイヤモンドリングのリフォーム
アイテム:リング
素材:K18PG
宝石:ダイヤモンド
制作期間:約2ヶ月
デザイン:大森香菜江