こんにちは。
デザイナーの大森です。
今回のグログでは、大ぶりのシトリンリングを“指になじむデザイン”へとリフォームしたお話です。
「このままだと私には大きすぎて…」とお困りだったお客様が、
「石の大きさが変わらないのに、不思議と馴染みますね!」と笑顔になってくださったリフォームストーリー。
では、そのリフォームの過程をご紹介しますね。
「指になじむリング」を求めて
ご相談にいらしたのは、凛とした美しさが印象的なお客様。
強さの中にやわらかな気品を感じさせる、とても素敵な方です。
ジュエリーポーチからそっと取り出されたのは、泡が浮かんでいるような、不思議な奥行きをもつ大ぶりのシトリンリング。
とろんと優しい輝きに思わず見とれてしまいましたが、お客様は少し困った表情で、
「どうしても、このままだと私の指には合わなくて…」とおっしゃいました。
確かに、元のリングは縦長に石がセットされたクラシカルなデザイン。
石がぽこっと飛び出していて、小柄なお客様には少し大きすぎるのかもしれません。

コロンとした石を、そのままに
「ダイヤモンドを添えますか?」とお伺いすると、
「いいえ、石だけをシンプルに楽しみたいんです」と、即答されたお客様。
その瞬間、方向性が決まりました。
シトリンの存在感はそのままに、でも指に自然となじむようにしたい。
縦向きだった石をあえて横向きにセットし、リングのボディにできる限り沈めることで、見た目のボリュームを抑えることにしました。
大きさは変わらないのに、着けたときの印象がぐっと軽やかに変わります。

指にすっと溶け込むデザインへ
リングのボディは、一本の腕が二本に分かれて石をやさしく包み込むラインに。
包み込む優しさと、しっかり支える強さ。その両方を感じられるフォルムを目指しました。
横顔はすっきり見せつつ、シトリン特有の奥行きのある美しい横顔がしっかり楽しめるように。
小柄でエレガント、そして凛としたお客様にしっくりと似合う、落ち着いた存在感を意識しています。



リフォーム後のシトリンリング
新しい表情に、お客様も笑顔に
完成したリングを指にはめていただいた瞬間、
「わぁ…すごく馴染みますね!」と大変喜んでいただきました。
私も心の中で小さくガッツポーズ。
ガラッと大胆に変える方がふさわしい場合もあれば、今回のように少しの工夫で新しい表情を引き出せることもあります。それはやっぱり、お客様のジュエリーへの想い次第だと思います。
改めてリフォームの奥深さを感じた時間でした。
このシトリンリングが、お客様の日常にそっと寄り添い、たくさんの時間を共に過ごせますように。

それでは、また次回のブログもお楽しみに。
シトリンリングのリフォーム
アイテム:リング
メタル:K18YG
宝石:シトリン
制作期間:約2ヶ月
デザイン:大森香菜江